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ごあいさつ

1960年頃の筆者
1960年頃の筆者

苦節20数余年。

まあ何が苦節かと突っ込まれても困るのですが、とにかく私が最後にコマンド入力方式のアドベンチャーゲームを作ってから、もうすでに20数年が経過してしまいました。

コマンド入力方式とは、キーボードから行動を文字で入力して話を進めて行くタイプのゲームで、恐らく遊んだ事のある人は若くても40才前後のオヤジ、有り体に言えば、子供二人、メタボ体型、メガネ、汗かき、ハゲ・・・失礼。あくまでもイメージと云う事で。そんな世代です。

他のゲームが進化して行く中、それが時代と共に忘れられてしまったのは、キーボードの無いゲーム機の台頭がきっかけです。

そのため、アドベンチャーゲームはコマンドを選択するスタイルに移行して行くのですが、業界もインターフェースは簡単な方が良いと云う短絡的な考えが追い風となり、コマンド入力方式はやがて消えてしまいました。

そこで、私の苦節が始まる訳です。

もちろんインターフェースが簡単な方が良いのは当然なのですが、それには同じ仕事をするのならば、という前提があっての話です。

つまり私が口を酸っぱくして、梅干しを食べ・・・失礼、主張していたのは、入力方式と選択方式では、面白さがまったく違う別のゲームであると云う事なのです。

ゲームの魅力であるインタラクティブ性は、能動的であればあるほど効果が大きく、よりゲーム性が引き立ちます。つまり、ストーリーゲームとしてのアドベンチャーゲームは同時にチューリングテストであるから面白いのです。

自由に入力したコマンドに対してどのような返事が帰ってくるかが判らないからこそ意外性があり、そのゲームをデザインした作者のほくそ笑む顔がコンピュータの向こうに見え隠れするのです。

質問と答えの両方が決まっている質疑応答のどこにインタラクティブ性があると云うのでしょう。

例え、どんな面白い返答を用意しても、そのためのコマンド自体も作者が用意し、画面に表示してあるなんて、白けてしまうのは私だけでしょうか?

それを証明する機会を私は苦節20数年、じっと寝ながら待っていました。

そして今回、ファルコンと共に、新しいシナリオツールを構築できる運びとなりました。

しかも、ここで私が作品を作るだけでなく、大胆にもツールを公開し、アドベンチャーゲーム作家を育成しようと云うことでこのサイトをオープンしました。

それは、多くの作家を育て、面白い作品を量産してもらい、それを発売し、ちょっぴりピンハネをし、寝て暮らしたい。という潔く深い考えがあってのことです。

皆さんもぜひこのプロジェクトに参加して、アドベンチャーゲーム作家としてデビューしませんか?参加をお待ちしています。

今林宏行